大きな下落に備える
大きな下落と日々の下落
日々の下落まとめ
日々の下落に備えるでは、年に1回(はある)ような下落について、予め逆指値注文を行って備えるか、レバレッジ倍率を抑えておくことについて考察した。
SPXL や TQQQ は:
- 日々の値下がりが 9% を超えると「珍しい」レベルである。7.5%あたりが年に1回くらいの頻度である。
- リーマンショックレベルでは、20% を超える下落が続く
- 理論的には、60% 程度下落しうる。
という性質を持つ。
ということを確認した。また、計算によって
- 3.5倍で 8% 下落すると、4.47倍程度に上昇する。
- 3.5倍で 8% 下落するとき、5% 時点で1/5売却していると、3.47倍程度になる。
- 3倍で 8% 下落すると、3.63倍程度に上昇する。
- 3倍で 8% 下落するとき、5% 時点で1/5売却していると、2.73倍程度になる。
- 2.5倍で 8% 下落すると、2.88倍程度に上昇する。
- 2倍で 8% 下落すると、2.19倍程度に上昇する。
- 3倍で 10% 下落するとき、5% 時点で1/5売却していると、2.95倍程度になる。
…といったことが考えられることを確認した。「3倍で 10% 下落するとき、5% 時点で1/5売却していると、2.95倍程度になる」性質をうまく使えば、あまり難しくない計算で、下落時にレバレッジ約3倍のまま保つことができそうである。
長期の下落
2018年2月の「調整」は総計 30% 程度下落した。株式市場の値動きはある程度の傾向を持つ。「好況」とか「恐慌」という言葉がそれを端的に示している。長期間で(少しずつ)長い下落が続くことが実際に何度も起きている。 TODO: 米国株(S&P500)長期推移(チャート・変動要因) / 30%以上の暴落は過去7回 https://finance-gfp.com/?p=4859 株価暴落はいつ起きる? アメリカ市場の暴落周期9回のまとめ https://america-kabu.com/2017/10/05/tumble/ 可変レバレッジド・ポートフォリオで気になったことを調べてみた https://garboflash.blog.fc2.com/blog-entry-1517.html リーマンショック並に暴落したら自分のポートフォリオがどうなってしまうのか見てるとヤバすぎて笑える http://kutsumigaki.blog.fc2.com/blog-entry-204.html 【可変レバレッジド】そのロジックと、リバランスのタイミングに悩んでいる人へ(闇落ちへの誘い) https://everest.organic/?p=91 例えば、SPXL については、2009年からの最大下落は 49.16%、TQQQ については、2010年からの最大下落は 37.42% である。 また、2002年からのシミュレーションによる最大ドローダウンは、SPXL が 90.4% である。TQQQ は 94.7% である。 よって、
- 普段については、レバレッジ 2~3倍程度までは問題がなさそう。
- 恐慌・大ショック程度の場合は、1.5~2倍程度までレバレッジを減らす。(大きくリバランスもすべき?)
という感触を得た。どのようにして、「調整」と「ショック」を見極めるかは非常に難しい問題だと思うが、2.5倍程度を軸にして考えてみたい。 長期の動きを考える上では(以下実効倍率)、倍率は次のような性質を持つ:
- 2.75倍から 20% 下落すると、4.89倍に上昇する。
- 2.5倍から 20% 下落すると、4倍に上昇する。
- 2.2倍から 30% 下落すると、4.5倍程度に上昇する。
- 2.1倍から 30% 下落すると、4倍程度に上昇する。
- 2倍から 30% 下落すると、3.5倍程度に上昇する。
- 1.8倍から 40% 下落すると、3.85倍程度に上昇する。
ことを考慮に入れたい。アラートメールがくるのが、証拠金150%と120%、つまり3.33倍、4.17倍の時なので、注意したい。 上昇については:
- 3倍から 10% 上昇すると、2.54倍程度に低下する。
- 3倍から 20% 上昇すると、2.25倍程度に低下する
- 2.8倍から 10% 上昇すると、2.4倍程度に低下する。
- 2.5倍から 10% 上昇すると、2.2倍程度に低下する。
- 2.5倍から 20% 上昇すると、2倍程度に低下する。
である。 トライオート ETF のライジングは、1口の推奨証拠金が22879円、1口当たり最大6株の ETF を購入する。41814円分である。最大で約2倍運用となる計算だ。これくらいがお勧めの証拠金率なのだろう。
運用方針
このようにしてみたい。
上昇により、2.2倍を下回った場合、2.8倍程度になるまで買いを入れる。- あくまで体感だが、2.5倍を超えるとかなり「忙しい」感じがする。疲れては長期投資はできない。週1度、週末の指値設定でも良いようにしておかなければならない。
- 具体的には、時点での所有口数の1/4を購入する。
新規購入分は、5% 下の価格で、逆指値売りを入れておく。 「3倍で 10% 下落するとき、5% 時点で1/5売却」に近いことが実現できそう。- こちらも、週に5% の下落はあるようなので、下げたときに投げ売ってしまうことが何度かあった。レバレッジをあげることが第一目的ではないため、8% 下落で耐えるように再設計してみる。
下落により、3倍を上回った場合、2.5倍程度になるまで売る。もう少し倍率を下げる。- 購入時の逆指値の売りを確実にしていれば、3倍を上回る状態になる可能性は低い。
- 逆指値の売り価格を見直し、1/5割程度は、5% 下の、1/5割程度は、10%の下の価格で逆指値売りを入れておく。
- 恐慌レベルの下落と思われる場合(下落の売りが、短期間に2回以上生じた場合)、2倍まで倍率を落とす。
付録: 有効比率と倍率
トライオート ETF では、有効比率が表示される。これは、必要証拠金に対し、評価損益を加味し、有効証拠金額を計算した後、必要証拠金に対する、有効証拠金額の比率を % で示している。これと、本稿で述べてきた実効倍率の関係を表にしておきたい。
商品金額 | 必要証拠金 | 有効証拠金額 | 実効倍率 | 有効比率 |
10,000 | 2,000 | 10,000 | 1.0 | 500% |
20,000 | 4,000 | 10,000 | 2.0 | 250% |
21,000 | 4,200 | 10,000 | 2.1 | 238% |
22,000 | 4,400 | 10,000 | 2.2 | 227% |
23,000 | 4,600 | 10,000 | 2.3 | 217% |
24,000 | 4,800 | 10,000 | 2.4 | 208% |
25,000 | 5,000 | 10,000 | 2.5 | 200% |
26,000 | 5,200 | 10,000 | 2.6 | 192% |
27,000 | 5,400 | 10,000 | 2.7 | 185% |
28,000 | 5,600 | 10,000 | 2.8 | 179% |
29,000 | 5,800 | 10,000 | 2.9 | 172% |
30,000 | 6,000 | 10,000 | 3.0 | 167% |
31,000 | 6,200 | 10,000 | 3.1 | 161% |
32,000 | 6,400 | 10,000 | 3.2 | 156% |
33,000 | 6,600 | 10,000 | 3.3 | 152% |
34,000 | 6,800 | 10,000 | 3.4 | 147% |
35,000 | 7,000 | 10,000 | 3.5 | 143% |
40,000 | 8,000 | 10,000 | 4.0 | 125% |
45,000 | 9,000 | 10,000 | 4.5 | 111% |
50,000 | 10,000 | 10,000 | 5.0 | 100% |
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